『桃太郎』の起源は?
桃太郎の起源は不明ですが、その由来は諸説あります。
有力視されている説が、成立712年とされる『古事記』(天皇の歴史がまとめられた書)の「イザナギ・イザナミ伝説」。日本列島を作ったとされるイザナギとイザナミですが、イザナミが亡くなり、イザナミを追いかけて黄泉の国へと行ったイザナギ。そこで腐り果てたイザナミの様子を目の当たりにしたイザナギは思わず逃げ出し、それを見たイザナミは怒り狂い、鬼と化け女たちに後を追せます。イザナギは、近くにあった「桃の実」を鬼たちに投げつけ、イザナミ達を追い払いました。 そして「鬼退治=桃」という説が出てきました。そのイザナギの子供の1人がスサノヲで、またの名を、吉備津彦命(きびつひこのみこと)と言います。この人物が桃太郎のモデルにもなったのではないかと考えられているようです。
なぜ桃太郎はイヌ・サル・キジと鬼退治へ?
桃太郎のお供がイヌ、サル、キジである理由は、十二支と関係しています。
十二支を北から時計回りに並べると、鬼門は北東(丑寅)だから、鬼のイメージは丑(うし)の角、寅柄のパンツ。その鬼門の方角に「鬼ヶ島」があることになります。その鬼ヶ島に行って鬼を退治するためには、鬼門と反対の方角(裏鬼門)の生き物の力が必要と考えました。南西の干支は未(羊)と申(猿)です。しかし、この羊は角があるため、鬼の角に通じるということで避けられました。よって、猿から順番に3匹、つまり、申(猿)酉(鳥)戌(犬)となりました。よって、桃太郎の話に出ている家来は、イヌ・サル・キジとなったのです。しかし、「犬猿の仲」と言われるイヌとサル。間を取り持つ役割を担っていたのがキジだったのではないかとも言われています。
宝を持ち帰った、その後は壮絶!? さまざまなひどい説を紹介
日本昔話『桃太郎』は鬼退治をして宝物を持ち帰り物語は終わりました。
芥川龍之介の『桃太郎』のラストは…
生き残った鬼ヶ島の鬼はキジを噛み殺したり、海を渡って桃太郎の家へ火をつけたり、桃太郎を殺そうとしたりしました。そんな不幸が続き、「鬼の執念深さには困ったものだ」と困り果てていました。
自分の腕試しとして鬼退治に行き、財宝の取り分を考えていた桃太郎。そして一緒に戦ったイヌ、サル、キジも、それぞれ皆自分が1番多く取り分がもらえると考えていたのです。そして財宝を前にしたおじいさんとおばあさんも財宝に目がくらんでしまいました。そんな醜い欲望を感じ取ってしまった桃太郎は、たった1人都に出て行くのです。その後、都で剣術道場を開いたとも、鬼ヶ島に戻って王として君臨したとも噂されるもののその行方は誰も知らないと話を結んでいます。
(引用、参考)https://honcierge.jp/articles/shelf_story/7420#google_vignette